「主人公はジェダイじゃないんでしょ? どうなんだろ。」

世の中の多くの方が熱狂したであろう映画『スターウォーズ』シリーズ。それを舞台にしたオープンワールドゲームと言えば、期待は否応なしに高まります。
しかし、本作とは別に開発中のUbisoftタイトル『アサシンクリードシャドウズ』がゲームトレーラー発表段階で大炎上したことで、(詳しくは→”弥助騒動”)本作を買い控えた方も多いと思います。
ゲーム内容とは関係のないところで、発売前からケチをつけられてしまったことは不運以外の何者でもないと思います。
そこでこのレビューでは、広大なオープンワールドと精巧なアートワーク、スターウォーズならではの素晴らしいサウンド、物足りなかった宇宙船ドッグファイト、ステルスがゲームテンポを悪くしている点などを公平にかつ忖度なく実際にプレイした感想をもとにお伝えします。
| ゲームフォワード的評価 | |
| おすすめ度: | |
| ストーリー | |
| グラフィック | |
| レベルデザイン | |
| サウンド・BGM | |
| アートワーク | |
| ボリューム | 30時間 |
©Ubisoft
ゲームの基礎情報
| 開発 | マッシブエンターテイメント |
| 販売 | ユービーアイソフト |
| 発売日 | 2024年8月30日 (Steam版は2024年11月22日) |
| ジャンル | オープンワールド アドベンチャー |
| プラットフォーム | PS5 UBISOFTSTORE(PC) Steam XboxSeries |
| 体験版 | なし |
| オンライン マルチプレイ | なし シングルプレイのみ |
| 各エディションの違い | ||
| スタンダード エディション | ゴールドエディション | アルティメット・エディション |
| ゲーム本編 | ゲーム本編 | ゲーム本編 |
| シーズンパス | シーズンパス | |
| 「ならず者の侵入者」 バンドル | ||
| 「サバック・シャーク」 バンドル | ||
| デジタルアートブック | ||
| 9,790円 | 15,400円 | 18,150円 |
シーズンパス:内容
シーズンパスで銀河の旅を広げよう!追加の「スター・ウォーズ 無法者たち: Wild Card」と「スター・ウォーズ 無法者たち: A Pirate’s Fortune」のストーリー拡張、Day1限定ミッション「ジャバの計略」、「ケッセル・ランナー」キャラクターパックを解除します。
公式サイトより引用
『スター・ウォーズ 無法者たち』の時代は、映画『スターウォーズ』シリーズのエピソード5『帝国の逆襲』とエピソード6『ジェダイの帰還』の間、シリーズの中で最も混沌とした時期を舞台にしています。
『スターウォーズ』をゲーム化した作品の中で、オープンワールドアクションアドベンチャーです。
主人公の『ケイ・ヴェス』はこれまでのスターウォーズゲームにあったような、『ジェダイ』ではありません。ライトセーバーでの剣戟なども今作にはありません。
アウトローとして生きる主人公ケイ・ヴェスは、相棒の小動物ニックスと共に銀河の裏社会を渡り歩きます。
ストーリー冒頭で、ケイは銀河を牛耳る犯罪シンジケートのボス「スリロ」を相手に大胆にも窃盗計画を実行します。
しかし、新しい人生を切り開こうとする試みは失敗し、逆に囚われます。脱出には成功しますが、銀河中に賞金・追手をかけられることになります。
他の犯罪シンジケートなどと仕事をし、仲間を増やしながら再度「スリロ」相手に銀河最大の窃盗計画を画策し、実行に移していくのが大まかなストーリーです。
『スターウォーズ』シリーズお馴染みの惑星が登場し、ケイはこれらを巡りながら、時に正面から撃ち合い、時にステルスを駆使して銀河帝国兵や犯罪組織と渡り合うこととなります。

良かったポイント
スターウォーズなBGM・サウンド
本作のBGMとサウンドは、映画シリーズの壮大な音楽をそのまま踏襲しており、プレイヤーを一瞬でスター・ウォーズの世界に引き込みます。
ジョン・ウィリアムズ風(スターウォーズシリーズの作曲家)の音楽は、プレイ中の没入感を高め、スターウォーズの世界に浸りながらプレイする楽しみを提供してくれます。
また、異星人キャラクターや各惑星生物の音声は細部までこだわっていることが感じられ、まるで実際の銀河系を旅しているかのような感覚を与えてくれます。
戦闘時の銃声や宇宙船のエンジン音、スピーダーバイクの滑走音など、スターウォーズならではの音の演出がふんだんに盛り込まれており、没入感を高めています。

スターウォーズの世界観を見事に発揮しているサウンド・BGMは本当に素晴らしかったです。
スターウォーズの世界を大冒険
各惑星にはそれぞれ異なる環境や文化が描かれ、スターウォーズの世界観を忠実に再現しています。
広大な銀河系を自由に探索できるオープンワールド自体がまだ黎明期ではありますが、銀河の冒険感は抜きん出ていると感じます。
また、映画に登場する名場面を彷彿とさせるシーンや、特有の種族・生物との出会いも盛り込まれており、スターウォーズファンにとって特別な体験が用意されています。
ではスターウォーズを知らないと楽しめないのか?と問われるとそんなことはないと思います。
銀河を冒険している感、様々な惑星を訪れるワクワク感は誰でも感じられると思いますし、楽しめると思います。
スターウォーズの世界観の再現度の高さで、誰でも楽しめると思います。

タトゥイーン星のモスアイズリー。映画の再現度が半端じゃない
微妙ポイント
宇宙船のドッグファイトがつまらない
発売前映像を見ている段階では、楽しみにしていた部分でした。しかし、いざプレイしてみるとつまらなかったです。
操作の不自由さ、画面外からの敵の攻撃が煩わしくストレスを増大させます。
戦略性も乏しく、HUDも見づらいです。
任天堂の名作「スターフォックス」シリーズのようなスピード感溢れる宇宙船ファイトを期待してはいけません。
宇宙空間でのスピード感や緊迫感がもっと引き出されれば、銀河を舞台にした冒険として一層盛り上がったのになぁと思いました。
宇宙戦闘には期待しない方がいいかもしれません。

ステルス要素を強いられる場面が多くストレス
頻繁にステルスプレイを求められる場面が登場します。僕はアクション・ドンパチ重視のプレイが好きなので、特にストレスを感じました。
ステルス自体がプレイ目的になってしまうような場面が多々あり、テンポが緩慢になります。
また、ステルスで進むことが強制され、失敗した際には即座にゲームオーバーになるシーンすらあります。
ステルスでコソコソ進む様はただのこそ泥で、無法者なら正面切ってドンパチさせてくれ、と何度も思いました。
ゲームとして質が高くない点が散見される
項目分けするほどでもないけど、気になる点がいくつかあります。
- 爆発などの視覚エフェクトは見栄えが良くない
- 探索要素が異様にわかりづらいことがあり、目的地になかなかたどり着けない。謎解きも難しすぎる
- リリース当初の進行不能バグ。高いエディションを購入したユーザーを蔑ろにしてしまった点は大いに反省してほしいと思う
- 銃撃戦が淡白に感じられる。難易度の調整をゲーム中でも可能だが、単純に難しくしただけでは効果がなかった
スターウォーズ無法者たちまとめ
スターウォーズ無法者たちは、スター・ウォーズファンが待ち望んだオープンワールドアクションアドベンチャーとして、銀河系の広大な世界観を忠実に再現しています。
映画さながらの音楽と演出により、「映画を動かす」体験ができると思います。
一方で、宇宙戦やステルス要素において、ネガティブに感じた部分もあります。
スターウォーズファン以外にとっても見どころの多い作品であり、銀河を舞台にしたオープンワールドという一点のみでもほとんど類を見ないため貴重な体験になり得るかもしれません。

