フォワード今までの「無双シリーズ」は草刈りゲー、ボタン連打ゲーなんて言われることもあり、市場とユーザーも「無双シリーズ」に対しやや食傷気味な感がありました。
このことから、未だ購入にいたらない方も多いのではないでしょうか。
本作『真・三國無双ORIGINS』(しん・さんごくむそうオリジンズ)はこれまでの「無双シリーズ」とは違い、様々な面がブラッシュアップされ非常に楽しいゲームに仕上がっています。
具体的には、従来からの特徴である「一騎当千」の爽快感をしっかりと維持しながら新境地を開拓した戦闘、RPGのようにビルドを組める育成要素、そしてコレクティブな関係にとどまらない武将らとの交流です。
60時間プレイしたレビューとなります。ぜひ参考にしてみてください。
| ゲームフォワード的評価 | |
| おすすめ度: 4.8 / 5.0 | |
| ストーリー | |
| グラフィック | |
| レベルデザイン | |
| サウンド・BGM | |
| アートワーク | |
| ボリューム | 20時間~30時間 |
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©KOEI TECMO GAMES CO., LTD.
ゲームの基礎情報
| 開発 | オメガフォース(コーエーテクモゲームス) |
| 販売 | コーエーテクモゲームス |
| 発売日 | 2025年1月17日 |
| ジャンル | タクティカルアクション |
| プラットフォーム | PS5 Steam XboxSeries |
| 体験版 | 🔗PS5 🔗Steam 🔗XboxSeries |
| オンライン マルチプレイ | なし シングルプレイ |
『真・三國無双 オリジンズ』は、三國志の物語を記憶を失った青年「無名」(名前は自由に変えられる)視点で描き、一騎当千の爽快感と戦略性を融合させたアクションゲームです。
劉備、孫堅、曹操らと関わりながら、魏・呉・蜀の成立へと繋がる「赤壁の戦い」までのドラマを体験します。
新たなアクション要素や育成システムが導入され、シリーズファンはもちろん、新規プレイヤーにも楽しめる内容となっています。
「三国志」知識0で問題ないです。僕は三国志に詳しくありませんが、存分に楽しめました。
良かったポイント
進化した無双アクション
シリーズ伝統の「一騎当千」アクションが進化しています。
雑兵の群れは従来通りのド派手なアクションでなぎ倒せますが、武将との戦闘では、新たに追加された「ジャストガード」や「ジャスト回避」といったアクションを駆使することで、より深みのある戦闘が楽しめます。
さらに、「外功」(いわゆる体幹ゲージ)を削ってダウンさせる要素も追加され、より戦術的なアプローチが求められるようになりました。
これらの大幅な戦闘面の変更は大成功であり、従来の「無双シリーズ」より飛躍的に面白さが増したと感じます。
カメラワークやSEもかっこよく、得られるカタルシスは唯一無二と言っても過言ではありません。
シリーズ伝統の「一騎当千」を維持しながら、緊張感と爽快感を両立したアクションは他に類を見ません。
コーエーテクモゲームズが切り開いた新境地と言えるでしょう。
フォワード緊張感うんぬんより気軽に無双したいんだが?
そういった場合は難易度調整ができるので安心です。
| 難易度 | 特徴 |
| 歴史を追う者 (イージー) | 物語重視や爽快かつスムーズにゲームを進めたい場合はコチラ。 プレイヤーのガードが強力で、攻撃時は敵を怯ませやすい。 |
| 乱世を往く者 (ノーマル) | 通常難易度。通常だが難しいと巷では言われている。厳しければイージーに。 |
| 逆境を覆す者 (ハード) | 高難易度の戦闘。アクションゲームに慣れている人向け。 敵の攻撃性が増して、ジャストガードやジャスト回避の判定が厳しくなる。ついでに回復アイテムのドロップもなくなる。 |
| 無双に挑む者 (ベリーハード) | クリア後に選択可能。究極のやりこみ要素。 敵の殺意は最高潮に達し、ジャストガードやジャスト回避の判定は超シビアになる。 |
僕は「逆境を覆す者(ハード)」でプレイしましたが、特定のボス戦でかなり苦戦しました。
試しに「歴史を追う者(イージー)」でプレイしてみたところ、非常にスムーズに進行でき、過去の「無双シリーズ」に近いプレイフィールだと感じました。
とりあえず無双成分多め!というプレイは、「歴史を追う者(イージー)」がおすすめです。
育成要素

主人公の育成はRPG的な要素が豊富で、成長が感じられるように作られています。
本作には、剣や槍、飛圏(チャクラム)など、ユニークな9種類の武器が登場し、それぞれに熟練度が設定されています。
熟練度は使用するほど上昇し、新たなスキルのアンロックや基礎能力の向上といった恩恵を受けられます。

さらに、シンプルながらも分岐のあるスキルツリーが用意されており、プレイスタイルに応じた育成が可能です。
また、戦闘中に敵を倒すと武器をドロップすることがありますが、これらの武器にはランダムな効果が付与されており、ハクスラ的な楽しみ方も提供されています。
加えて、「宝玉」や「装飾品」といったアイテムを組み合わせ、自分好みのビルドを考える楽しさもあります。
総じて育成要素は非常に充実しており、主人公の成長を実感できます。
武将との交流

主人公は記憶を失った武芸者であり、豪傑かつ温和で不思議な魅了を持つ人物として描かれます。
そんな人物を三国志の英傑達が見逃すはずはなく、時に人生相談を受けたり、時にその武力を当てに助力を請われたりと、とにかく大人気です。

それは後に魏・呉・蜀の君主となる人物達からも同様で、自軍に加わるように熱烈なオファーを受けたりもします。
交流シーンを描くムービーは秀逸の一言で、フェイシャルアニメーションや声優さんの巧みな演技も相まり、没入感は極めて高いです。
主人公が比較的中立な立場であるため、さまざまな勢力の武将たちと幅広く関わることができ、これまでのシリーズとは一味違った人間関係を楽しめます。
微妙ポイント
多くの武器種をまんべんなく使ってほしい、という開発からの意図が汲み取れる
剣の◯◯で敵を100体倒せ、槍のスキルで敵を◯◯しろ、といったミニクエストが豊富に用意されています。
スキルツリーのアンロックに「武功」というポイントが必要になりますが、このポイントの効率的な入手に「修練」というミニクエストを消化する必要があります。
この「修練」内容に武器縛りが含まれているので、どうしても多様な武器種を使うことが求められます。
その他、武器毎の熟練度の合計値=主人公のレベルというシステムなので、HPや攻撃力といった基礎能力値の向上を考えると様々な武器種類を使った方が良い、という結論になります。
武器種類毎にしっかり差別化されており、どの武器も使用していても楽しいです。よって些末な問題ではありますが、人によってはやや窮屈に感じるかも知れません。
【真・三國無双オリジンズ】:まとめ
『真・三國無双オリジンズ』はシリーズの伝統を受け継ぎつつ、新たな要素を巧みに取り入れた意欲作です。
一騎当千の爽快感はそのままに、戦闘システムは強化され、プレイヤーに極上のアクション体験を提供してくれます。
また、RPG的な育成要素や、史実を彩る武将との交流など、三国志の世界を新たな角度から楽しむことができます。
シリーズファンのみならず、新規プレイヤーにもおすすめです。
一方、開発側の意図がプレイヤーの遊び方に干渉していると感じられる点には、改善の余地があると思います。ただそれを差し引いても、全体的には高い完成度を誇る作品と言えるでしょう。
アクションゲームや歴史物語に興味がある方には、ぜひ一度プレイしていただきたいタイトルです。
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