
『Mass Effect』(マスエフェクト)シリーズや『Anthem』(アンセム)などで名高い、EA傘下の開発スタジオBioWare。
海外ではRPGゲームの巨匠として広く知られ、今回レビューする『Dragon Age』(ドラゴンエイジ)シリーズも熱狂的なファンがいます。
しかし、シリーズ最新作の本作は発売前から強烈な「DEI」の匂いを隠しきれず、やや不穏な空気が漂います。
とは言え、ゲームとしてはどうだったのか?遊びという部分は評価できるのか?という点が一番気になるところだと思います。
60時間プレイしたシリーズ経験者が忖度なくレビューします。ぜひ参考にしてみてください。
・1作目 ドラゴンエイジ オリジンズ プレイ済み
・2作目 ドラゴンエイジ Ⅱ プレイ済み
・3作目 ドラゴンエイジ インクイジション 未プレイ
| ゲームフォワード的評価 | |
| おすすめ度: 3.8 / 5.0 | |
| ストーリー | |
| グラフィック | |
| レベルデザイン | |
| サウンド・BGM | |
| アートワーク | |
| ボリューム | 50時間前後 |
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©Electronic Arts Inc.
ゲームの基礎情報
| 開発 | BioWare |
| 販売 | エレクトロニック・アーツ |
| 発売日 | 2024年11月1日 |
| ジャンル | RPG |
| プラットフォーム | PS5 Steam XboxSeries |
| 体験版 | EA Playのサブスクリプションで5時間のトライアルが可能 |
| オンライン マルチプレイ | なし シングルプレイ |
| オンライン クロスプレイ | なし |
『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』は、精霊や悪魔が存在する精神世界「フェイド」と現実世界「セダス」を隔てる障壁“ヴェイル”を巡る壮大な物語を描いたRPGです。
プレイヤーは新たなヒーロー「ルーク」として、個性的な仲間たちと共に世界を冒険し、邪悪な神々の野望を阻止する使命を担います。
プレイヤーの選択が物語に影響を与える深みのあるゲームプレイが魅力です。
シリーズ未経験でも楽しめるように、用語集などがゲーム内で充実していますので心配は不要です。
良かったポイント
ストーリーと世界観

『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』は、予期せぬ形で復活を果たした邪神に戦いを挑む壮大な物語を主人公ルークとして体験できます。
作中ではその邪神がどれだけやばい奴か、どれだけ無謀な戦いに挑もうとしているかを描き、プレイヤー自身に強くあれ、試練を乗り越えろと訴えてきます。
プレイの一挙一投足が「世界を救う為に必要なこと」という建付けなので、途中でダレたりボヤけることが一切ありませんでした。
また、ドラゴンエイジシリーズ全般に言えることですが、国や都市、歴史、種族や勢力、ただのごろつき集団にまで精細に設定がされており、その物量に圧倒されます。
「世界観が良く作られているゲーム」の筆頭と言えでしょう。
圧倒的に作り込まれた世界で、世界の脅威に立ち向かっていく様は、「英雄譚の追体験」と言っても過言ではありません。
総じてストーリーと世界観は圧倒的に良いと言わざるを得ません。

程よい戦闘。アクション難易度
シリーズ従来とは違い、戦闘はアクションゲームになっていますが、クオリティは低くないです。
クオリティは高いです!と言いたいところではありますが、そこまでではないです。
3Dモデルを使ったアクションゲームは、シューター系を除けば日本産ゲームの独断場でしょう(多分)
ただ本作は良くやっている方だと思います。動きはややもっさりしていますが、回避やパリイ(ジャストガード)、ボタン長押しを織り交ぜたコンボなどは一定のカタルシスを得られます。
ドラゴンとのボス戦など手に汗握る瞬間もありますし、敵からスタンを取った後のフィニッシュ攻撃時のカメラワークなどは非常にかっこいいです。
戦闘難易度を細かく調整できるのも良い点だと思います。
程よいキャラクタービルド

装備とスキルツリーでビルドを構築できますが、そこまで頭を悩ませることはなく、いい塩梅のバランスでした。
装備品のほとんどは宝箱に入っていたりで勝手に集まりますし、なんなら装備品のアップグレードも宝箱に入っているので、フィールドの探索もやり応えがあります。
装備は特定のスキルを「+◯◯する」みたいな特殊効果が付くことはなく、せいぜいステータスアップ系の効果しかつきません。なので、適当に拾った装備はアップグレードして最後まで使い倒すことができます。
そして、もはやRPGではド定番のスキルツリーですが、レベルアップでポイントを獲得しツリーを徐々にアンロックしていくスタイルで分かりやすいです。シンプルに成長が感じられるようになっています。
スキルツリーはどの方面に進めても、強化は保証されており、尚且つ気に入らなければいつでも振り直し可能な親切設計でした。
悪く言えば、装備品とスキルツリーのシナジー効果が薄く、キャラクタービルドの楽しみに乏しいということになるのでしょうが、自分的にはこれくらい単純で明朗なシステムも良いなぁと感じた次第です。

微妙ポイント
突如割って入ってくるDEI

何の前触れもなく、仲間が自身の性自認について語りだすことがあります。
しょうもない会話はスキップすることができますが、選択肢が発生する会話イベントはスキップすることができません。
仲間の性自認に対しプレイヤーが間違った呼び方(代名詞)をすると、罰として腕立て伏せさせられるという有り様です。しかもコメディータッチで描かれるのではなく、ガチ目です。
正直、・・・うーん、困惑しました。
娯楽であるテレビゲームにおいて、トランスジェンダーへ配慮した選択肢を求められるのは思想が強すぎると言わざるを得ません。
つまりプレイヤーの統計データ取っている可能性があるってことなんだよね



キャラクタークリエイトに不満

選択肢が限られています。具体的にはお胸が大きくできない。
このゲームのキャラクタークリエイトは「性自認の代名詞を変更可能」とか、「性転換手術後を付けることができる」など、個性的すぎるキャラクリ要素があります。しかし、多数の人が試みるであろうことが実装されていません。
女性が女性らしく、男性が男性らしくあるキャラクリは推奨されていない印象です。
ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者 まとめ
ダークファンタジーをベースとした圧倒的な世界観、生まれ変わった戦闘アクション、シンプルなキャラクタービルドは間違いなく評価されるべきだと感じます。
しかし、DEI要素どうでしょうか。嬉しい人が居るだろうという点は見過ごすことはできませんが、うーん・・・といったところ。
特段気にしない方や、トランスジェンダーの方などにはおすすめできるゲームかと思います。

ゲーム業界的にはどのようになるのか?気になるところです。

