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『モンハンワイルズ』なぜ「圧倒的不評」に?| 初期の人気からの転落要因とこれからの期待

フォワード(@Game__Forward
ワイルズが何で「圧倒的」不評に!?
大物ゲーム系YouTuberの意見なども含めて、現状をまとめてみた

発売前から大きな注目を集め、発売直後にはSteamでの同時接続数118万人を記録し、カプコン史上最速で1000万本の売上を達成するなど、驚異的な人気を博した「モンスターハンターワイルズ」。

しかし、ここ最近でSteamの評価が「圧倒的に不評」へと転落するという、非常に残念な状況に陥っています。

インターネット上に寄せられている代表的な評価転落の要因を3点に絞って深掘りし、今後のモンハンワイルズにどのような期待が寄せられているのかを考察していきます。

本記事で分かること

・モンハンワイルズが「圧倒的」不評になった原因の3点
・モンハンワイルズの現状に対する著名ゲーム系ユーチューバーの意見
・モンハンワイルズの今後へ期待する声をピックアップ

『モンハンワイルズ』評価転落の主な要因3点

ワイルズ イメージ

PC版特有のパフォーマンス問題とバグの頻発

Steam版「モンスターハンターワイルズ」の低評価の大きな要因として、PC版におけるパフォーマンスの悪さと頻繁なクラッシュ、バグが挙げられます。

これはどの国でも共通して見られる不満ですが、特に中国語圏からのレビューではパフォーマンスに関する不満が「凄まじい」と表現されるほど多く、クラッシュやアンチチートシステムによるブロックが頻発していると報告されています。

アンチチートシステム「Denuvo(デヌーボ)」がゲームを重くしているという指摘もあり、PCユーザー、特に中国のユーザーに共通する不満点となっています。ユーザーからは、早急な最適化とアップデートが求められています。

 
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ちなみに中国でのゲーマーのプレイプラットフォームの割合は80%がSteam

Steam全体ではユーザーの50%が中国からのアクセス、となっています。

なので、Steamで売る=中国市場と言い換えても言い過ぎではなさそうです

ソース →Automaton

エンドコンテンツの不足とアップデートのペース

熱心なモンハンファン層からは、「やることがない」というエンドコンテンツの不足が指摘されています。

中には数百時間以上プレイしているユーザーもいるにもかかわらず、この不満が挙がるのは、モンハンシリーズに数千時間ものやり込みを期待するファンが多いことの裏返しと言えます。

発売当初のモンスター数が前作の「ワールド」とあまり変わらない約30体程度であることや、エンドコンテンツで繰り返し狩るべきモンスターが不足していることが問題視されています。

また、新しいモンスターが小出しにされるアップデート形式に対して、「順番に与えられたから一つずつ味がなくなるまで噛んで次に行っている」と、コンテンツの消化が早く感じられるという不満もあります。

2025年6月末の大型アップデートで追加される新モンスターについても、現状の不満を抱えるユーザーを満足させるには「足りない」との声が聞かれます。

 
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モンスターを狩る→素材を得る→武器や防具を作る

このサイクルが今作めちゃくちゃ簡単になってます

運営のコミュニケーションとゲームデザインへの不満

ユーザーからは、運営の姿勢やゲームデザインの方向性に対する不満も多く見られます。

例えば、ユーザーにとって有利な挙動やバグはすぐに修正される一方で、不利なバグが放置されているという指摘があります。特に武器の弱体化(ナーフ)が非常に迅速に行われるにもかかわらず、強化(バフ)はなかなか行われない点について、ユーザーの印象を悪くしているという意見があります。

ゲームデザインにおいては、シリーズのアイデンティティが軽視されているという声もあります。

歯ごたえのあるモンスターの不足や、従来のモンハンにあった「面倒な要素」が減りすぎていることで、シリーズ本来の持ち味が薄れていると感じるユーザーもいるようです。

オープンワールドのゲーム性も、モンスターハンターのゲーム性とマッチしていない印象もあります。

さらに、運営のコミュニケーションにも批判が集まっています。豪鬼コラボが実装された際、その完成度の高さは評価されたものの、多くのユーザーが抱えていた本体のバグやUIの不具合解消が優先されなかったことへの反発が生じました。

また、5月中に実施予定だったアンケートが遅延したこと、そしてゲームの企画やアイデアを問い合わせフォームで受け付けていないという記載が、ユーザーの意見を聞く姿勢がないと受け取られ、不満を爆発させる「とどめ」になった可能性が指摘されています。

ワイルズ アンケート画面
 
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「山のように素人の意見が届くからうんざりしているんだよ」と言い換えることもできる文章

ラベリングしてアイデア類の問い合わせは自動でゴミ箱にポイする仕組みにすればいいのでは・・?

この書き方では、ユーザーからのフィードバックは受け付けませんよというスタンスと捉えられても仕方ない

著名YouTuberの反応

YouTubeイメージ

以下にゲーム系ユーチューバーの反応をざっくりとまとめてみます。

けいじチャンネル

  • PlayStation Storeのユーザー評価が星4.51と高得点ある点と、Metacriticのユーザースコアは7.2である点に注目。Metacriticのスコア自体は「そんなに高くない」としながらも、Steam版だけが「異様に低い」点に注目している
  • 自身は「めちゃくちゃ楽しめ」ていると述べている。この評価の「温度差」は、数百時間で満足するプレイヤーと数千時間のやり込みを期待する熱心なファン層との違いに起因すると分析
  • 以下の提言をしている。
    • 最優先でPC版の早急な最適化とバグ修正を行うべき
    • コンテンツ面では、最初から倒すべき多様なモンスターを複数体用意し(「アルシュベルドばかり」の現状打破)、長期的に遊べるコンテンツを充実させること
    • 運営に対しては、ユーザーの意見に真摯に耳を傾け、具体的なロードマップを示すこと、武器バランスのバフも迅速に行うこと、そして探索システムや群れシステムを活用し、既存モンスターにも狩る価値を与えるなど、ゲームデザイン全体のテコいれ
 
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PS系の情報発信多め&造詣が深いということもあり、PS評価とSteam評価は必ずしも一致していないという点に言及されています

キャベツの人

  • Steamの評価が「好評が19%以下なら不評扱い」となり、レビュー件数が多いと「圧倒的に不評」となる仕組みについても説明
  • 自身は「あくまでなんかライトにプレイする側」の人間であるため、「圧倒的に不評に何かならんやけど」と感じており、個人的には「普通に好評」であると述べている
  • Steam版の「圧倒的不評」に対して、以下の分析をしている
    • UI/UXの問題、ストーリーとプレイのバランス、武器関連、エンドコンテンツ、難易度、モンスターの量など、全体的に「物足りない」という不満があるのではないか
    • モンスターハンターシリーズは「やり込み要素によってその沼にはまらせてきた」系譜があるにもかかわらず、ワイルズではそれが成り立っておらず、「ボリューム感がない」ことに繋がっているのではないか
    • 初期のネガティブなレビューが並ぶことで、Steamのレビュー欄が「怒りの発散場所」になりやすいと指摘。また、他プレイヤーの声が聞こえやすい状況では、「みんな不満って思ってるんやったら俺も不満なとこ出てくるよね」という集団心理が働き、「無意識のうちに周り不満言うてるから俺も不満なはず」という傾向に引きずられ、相乗効果で悪い方向に行ってしまっている可能性を指摘
  • 以下の提言をしている
    • コンテンツ量の不満が大きいため、「小規模のアプデでは解消できない」と考えている。そのため、「UIの再設計」や「武器種の調整」「エンドコンテンツの増量」といった方針を、「ユーザーの声を聞いた上で」ロードマップの明文化をすれば、不満を抑制できるのではないか
    • 「過去に出てきた人気 のモンスター自装する」や「新しいマップ追加する」など、「インパクト、サプライズ感重視のアップデート」が、現状の悪い空気を良い方向へ変えるため起爆剤になり得るのではないか
 
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ゲーム業界へのご意見番ポジションを確立しつつあるキャベツ氏も楽しめたと明言
だが、不満も理解できるといったスタンス

あと、Steamレビューという場所が不満を発散しやすく増長しやすい、といった側面にも言及されています

けまいチャンネル

  • 過去のゲームが発売当初は不評でも後に評価を改善する例は多いものの、当初は評価が良く、その後急落するケースは極めて稀であるため、非常に懸念される状況だと分析
  • 致命的な課題が7点あると指摘
    1. エンドゲームの圧倒的な薄さ:強いモンスターがおらず、素材もすぐに集まるため、過去作のようなやり込みや達成感が不足
    2. リプレイ性の欠如:レアアイテムの消失。「物欲センサー」のような楽しさが失われた。激運装備のようなビルドもなくなった
    3. 継続的なプレイモチベーションの欠如:明確な目標がなく、トロフィーや称号も魅力的でない。「この敵に勝ちたい」と思えるような強敵もいない
    4. 武器バランス調整の遅さ:武器間の火力差や使い勝手の差が明白
    5. UI/UX設計のミス:クエスト開始までのテンポが悪く、またアイテムボックスの管理が直感的ではない。総じてUIのレベルが低い
    6. パフォーマンスと要求スペックのギャップ:高価なPCを用意しても動作が不安定。プレイヤーが投じた金銭的投資に見合っていない
    7. ワールドマップ構造の問題:マップ自体は美しいものの、「セクレト」による自動移動を選択するため、マップ探索はないに等しい
  • 発売前の期待値が高かった分、失望も大きいと指摘
  • 著名な「モンハン系ユーチューバー」ですら他ゲームをプレイしている現状
  • 手遅れで挽回は難しいと指摘
    • 大型DLC以外では仕様への不満は解消できないと予測
    • 新しいモンスターが登場しても、2~3回狩れば十分な「消費型モンハン」の現状、根本解決は難しい
    • ストリートファイターコラボなどの本編以外の要素に偏りすぎていることを問題視。肝心の「狩猟」というゲームの本質が見失われている

 
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一切の忖度はなく、分析も的確ではある
「手遅れ」という強い表現は、モンハンへの愛情の裏返しか

今後の『モンハンワイルズ』に寄せられる期待と改善への考察

ワイルズイメージ

このような状況を打破し、再びユーザーからの支持を得るためには、以下の点が今後の「モンスターハンターワイルズ」に期待され、改善されるべきだと考えられます。

PC版の早急な最適化とバグ修正

まず何よりも、PC版のパフォーマンス改善、クラッシュやバグの修正、アンチチートシステムの負荷軽減など、技術的な問題の早急な対応が求められています。

特にPCユーザーが多い中国語圏からの不満を解消することは、Steamでの評価改善に直結すると考えられます。

 
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圧倒的不評から脱却するだけでもイメージはだいぶ違うと思います

コンテンツの質と量の充実

現在の「やることがない」という不満を解消するためには、エンドコンテンツの増強が不可欠です。

具体的には、狩り応えのある新モンスターの追加(特に複数体同時、またはシリーズ作品で人気だったモンスターの復活)や、長時間プレイできるようなやり込み要素の充実が求められています。

現状、特定の高難度モンスターばかりが狩られる状況を改善し、探索システムをさらに活用して様々なモンスターを狩る動機付けとなるような報酬システム(レアアイテムの入手機会など)の導入もネット上では提案されています。

 
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「多少マゾい方がユーザーは喜ぶ」という知見をカプコンは得たはず

ユーザーの声を反映した運営

運営には、ユーザーの意見に真摯に耳を傾け、それをロードマップとして具体的に示すことが期待されます。

ユーザーがUI/UXの改善や、武器バランスの調整を求めているのは明らかであり、ナーフだけでなくバフ(強化)にも迅速に対応してほしいと考えています。

プレイヤーが「このゲーム固有の面白さがない」と感じ、アイスボーンやサンブレイクに戻ってしまう現状を打開するためには、ワイルズならではの魅力的なコンテンツや体験を提供することがカギとなるでしょう。

 
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運営も人間、ユーザーも人間
カスハラ対策という面もあるかもだけど、運営にはユーザーの声を真摯に聞いてほしい

『モンハンワイルズ』なぜ「圧倒的不評」に?まとめ

以下に圧倒的不評の要因をまとめます。

不評の要因
・PC最適化不足
・エンドコンテンツの不足
・運営姿勢

ユーザーが今モンハンワイルズへ求めているものは以下になります。

  • PC最適化とバグ修正、UIなど機能面の改修
  • エンドコンテンツの充足
  • 柔軟なユーザーとのコミュニケーション

「モンスターハンターワイルズ」は、発売当初に素晴らしい成功を収めた作品であり、ゲーム自体には楽しめる要素が多く存在します。

しかし、その期待値の高さゆえに、既存のモンハンファンが抱く理想とのギャップや、PC版特有の問題、運営の姿勢などが重なり、現在の厳しい評価に繋がっています。

今後のアップデートや運営の対応次第で、この状況を覆し、再び多くのハンターを魅了する「モンスターハンターワイルズ」へと進化できるのか、注目が集まります。